その場所で来る日も来る日も「繰り返される」から「くらし」なのだと思う。「ハレ」(特別)の日を楽しみに、「ケ」(ふだん)の日を送る。「ケ」の日々であっても、つつがなく明けて暮れていけば、それはそれなりに平穏無事な日々で、幸せでもある。

「ケ」の生活が順調にいかなくなると、暮らしが繰り返されなくなる。「ケ」が枯れる。気が枯れる。気枯れ。「ケガレ」だ。日本では、繰り返される暮らしが順調に行かなくなることを「ケガレ」と呼んだ。とくに死や病、出産などをそう呼んだ。繰り返す日々の暮らしのリズムが狂うからだろうか。

「ケ」の日々をつつがなく暮らして行けたら、「ハレ」の日を晴れやかに迎えられたら、それだけでうれしい。